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法話

旅の途中

 
 遠い昔、交通手段が発達した現代とは違って条件が厳しいなかで自分の意思で旅に出るとしたらその最大の動機は信仰心であったと考えられます。
 信仰に基づく旅のなかで多くの人々が経験するのが巡礼です。聖地や霊場を参拝して自己の信仰を深め心身の再生とご利益を得る目的を持った巡礼は旅という行動の基本モデルなのです。
 今年のノーベル文学賞を受賞したアメリカの詩人、ルイーズ・グリュックの「喩(たと)え」という作品の一節です。
  第一に浮き世の物を脱ぎ捨てた、聖フランシスコが言うように
  私たちの心が損とか得とかに
  乱されないように、そしてまた
  私たちの体が苦もなく山道に
  自由気ままに向かって行けるように それからやっと論じたのだ
  一体どこに旅に出るのかと、すると第二の問題がやってくる
  何か目的を持つべきなのだろうか、私たちの仲間の多くは
  狂ったように言い張った そんな目的を持つなんて
  浮き世の世渡りそのものだ、限界や窮屈をもたらすことさ。
  別の人たちは言った この言葉で私たちはさまよい人というより
  巡礼者として聖別される 私たちの考えでは その言葉は
  夢とか求められる何かなのだと訳される 私たちは
  心を集中することでやっと 石ころのなかに
  それが幽かに光っているのをうっかり見過ごさないようになれる
 旅の目的によって人はそれぞれ必要な装備を背負わなければなりませんが、旅の途中の道行はその経過を味わう時間です。目的地があるのはそのままに、今は身軽に景色を眺められます。

教化部執事 壬生真康

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