銭塚地蔵堂

銭塚地蔵堂ぜにづかじぞうどう

商売繁昌祈願

堂内に六地蔵尊が安置されている。このお像の下には江戸時代の貨幣「寛永通宝」が埋められているといわれる。この地蔵尊の由来は次のようなものである。
 享保年間(1716~36)に摂津国有馬郡(現在の兵庫県西宮市)に山口某という武士の妻がおり、夫とふたりの子供と暮らしていた。貧しいながらも彼女は武士の妻としての誇りを失わず、他人からの援助を断って清貧の生活を送っていた。ある時、子供らが庭先に埋まっていたたくさんの寛永通宝を掘り当てた。しかし彼女は、理由のない金を自分のものにするのは恥と考え、金を埋め戻させた。この賢い母に育てられ、子供らは立派に成長し、家が繁栄したので、子供らは金を埋めた場所に地蔵尊を祀ったという。これが現在、西宮市山口町に残る銭塚地蔵尊である。この地蔵尊の御分霊を勧請したのが浅草寺の銭塚地蔵堂であり、商売繁昌のご利益を求めて祈願する人が多い。
 毎月「四の日」に法要が営まれる。特に1月・5月・9月の24日は「正五九」という大法要がある。

建立 令和元年(2019)11月再建(鉄筋コンクリート造り)
歴史 関東大震災に際し、木造、瓦葺の堂宇は消失し、地蔵尊、石塔共に全体が磨滅したが、それ以前は石塔の銘文が判読できた。それには、「摂州有馬・山口銭塚正徳三年」とあり、浅草寺内にこの地蔵尊のある理由は不明であるが、塔の下には「寛永通宝」が埋めてあったと伝えられ、「銭塚」の名がある
ご縁日 毎月24日、正・5・9月の24日は午後3時より法要
写真:カンカン地蔵

カンカン地蔵

銭塚地蔵堂にそのお姿がほとんど原型をとどめていない石像が安置されている。もとは大日如来像と伝わるが、現在は「カンカン地蔵」と呼ばれている。お参りの人が石で打って祈ると「カンカン」という金属音がすることが由来といい、塩を奉納して祈願すると財福のご利益があるといわれる。

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