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    温座秘法陀羅尼会

    温座秘法陀羅尼会

    温座秘法陀羅尼会は、浅草寺において正徳2年(1712)より毎年厳修されてきた、浅草寺の法儀法要の中でも特に格式高く大切とされる、1週間にわたって続く大法要である。
     陀羅尼とは梵語(サンスクリット)のdhāraṇīが中国の訳経僧により音写されたものであり、漢訳では「総持」となる。仏教で用いられる呪文の一種で、修行者が様々の善法を集めて、これを散逸せしめない利益があるとされる。
     浅草寺のこの「陀羅尼」の大法要は毎年1月12日の晨朝6時より始まる。法要は密教の行法によるご本尊聖観世音菩薩さまへの供養であり、結願を迎える1月18日午後5時からの座に至るまで、1週間にわたり昼夜不断にて一山住職が入れ替わりながら供養を捧げる。本堂内陣東側に設えられる道場にて行われ、期間中は常に僧が座に上がっており、座が冷えることがないことから「温座」の語が用いられる。
     結願座では貫首大僧正が修法を執り行い、この座では結界となる5色の幕が上げられ、ご信徒にも修法の様子をご覧いただきながら、大法会との結縁の場が設けられる。本年は結願の際のご信徒の内陣参拝が、限定的ではあったものの3年ぶりに再開された。
     結願座の修法の後、一山住職や寺僧が観音経を読誦する中、破壇作法が修され、観音経の最後「阿耨多羅三藐三菩提心」の文言とともに本堂内の照明が一斉に消え、「亡者送り」が行われる。「亡者送り」では松明を持った亡者が本堂奥より現れ、本堂外に出ると松明を各所で地に叩きつけながら境内を巡る。この時飛び散った火の粉を冷えてから掴み、ご利益を求めるご信徒も多い。
     本年の陀羅尼会も魔事なく円成し、天下泰平・玉体安穏・万民豊楽が祈願された。