貫首 清水谷 孝尚
(かんす しみずたにこうしょう)
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謹んで新年のお慶びを申し上げます。
年頭にあたり皆さまのご健勝をお祈りいたします。
回首いたしますと「平成本堂大営繕」を三年前に発願し、一昨年に無事竣工いたしました。施工を担当されました方々に心より感謝いたしますと共にご信者の方々のお力添え、ご本尊さまに寄せられるご信心の深さを尊く思う次第です、有難いことであります。
この度の営繕は昭和三十三年に観音堂が再建されて以来のこと、まず大屋根の葺き替えに着手、耐震を考慮「チタン製」の瓦にいたしました。表参道から仰ぎ拝する屋根の「流れ」が示す線の美しさは、参拝者の心を霊場へと運びます。また各所に用いられている「錺金具」が陽光に照り映え「現世安穏」の利益が保証されている想いを抱きます。
さて観音堂正面の階段の左右に豊道春海師書、中村蘭台師刻の「書聯」が懸けられており、ご参詣の方の目にまず止まります。
『実相は荘厳に非ざれども金碧装い成す安楽刹 真身は表象を絶すれど雲霞画き出す補陀山』真理の世界は、とても形などに表すことはできないが、しかし見事に整えられた伽藍や自然の景観の妙は、それこそ仏の浄土(安楽刹)であり、観音さまの世界(補陀山)であると示されております。営繕を終えた観音堂に身を置くことは、すなわち仏さまのお住いに身を置くことで、これを法縁として信心を深めなさいと教えます。
また本堂外陣の大きな「お賽銭箱」の左右には江戸時代の書家野口雪江氏の筆になる『佛身円満無背相・十方来人皆対面』と中国の浄土教の大成者であられる善導大師さまの「般舟讃文」の句をかかげ、誰でも、どこから来た人でも分け隔てなく救いの手を差し伸べて下さる観音さまの慈悲のお心が書かれております。
そして見上げますと享保十二年(一七二七)に奉納された『施無畏』の額が掛けられております。観音さまがその威力や方便によって衆生の畏怖を取り去って救って下さることから「観音経」では観音さまを「施無畏者」の別名でもお呼びしております。
どうぞ、本年もかわらぬご協讃を賜りますよう謹んでお願いすると共に、益々のご発展の年でありますよう祈念して右報告かたがたの新年のご祝詞といたします。
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